【学生記事】日中の漫画比較

投稿者: さき 天寧  こばち 天翔

1.はじめに

人々の娯楽として存在する漫画。しかし漫画と一口に言っても様々なジャンルがあり、国によっても表現方法などが変わる。今回は日本の学生と中国からの留学生の二つの視点から日中の漫画比較、そこから派生してアニメの比較もしていく。

2.日中の漫画比較

日本は漫画の国と言えます。

「ドラえもん」「ワンピース」「となりのトトロ」などは世界中の人が知っているキャラクターとして人気です。その一方で、中国からも「大漁海棠」「モンキー・マジック 孫悟空誕生」など優れた作品が出ています。

中国においては女性向けマンガが多く読まれ、日本とアメリカの男性向けマンガとはまた異なった結果となった。中国産業の基礎は弱いということは事実です。しかし、近年中国は焦らず進んでいます。日本の漫画産業の強みは人材と技術です。日本漫画産業では18歳くらい若いクリエイターがたくさんいます。それに対して中国が人材を育てアニメ産業の基礎を築くには後約10年はかかるという指摘があります。 キュウ

 1.年齢層

中国:10代~20代の青少年

日本:全年齢を対象(10代~40代もしくは50代)

 2.歴史

日本:現代の「マンガ」に繋がる日本最古の漫画とされる、平安時代「鳥獣人物戯画」。日本初の漫画雑誌1862年発刊「ジャパン・パンチ」。岡本太郎の父、一郎が新聞でストーリー漫画の先駆けとなる絵と文章を掲載。

鳥獣人物戯画│世界遺産 栂尾山 高山寺 公式ホームページ
出典:https://kosanji.com/chojujinbutsugiga/image/pic_02.jpg
川崎市市民ミュージアム
出典:https://archive.keiyou.jp/api/kawasaki_test/contents/kawasaki_comic/0447544/01800000M2/thumbnail?width=200&height=200&trim=0

中国:中国において記録のうえでマンガが登場した最初は11世紀(宋代)の石恪筆『玉皇朝会図』の画中に描かれた風刺画だという。しかし、近代に至るまでは日本に比してマンガや風刺画の作品は少なく、傑出したマンガ家やマンガ作品が出ていない。最初期の中国の風刺漫画雑誌の一冊は、イギリスの風刺誌『パンチ』に由来する、『China Punch』と題された雑誌であった[1]。1875年ごろから『香港パンチ』などのマンガ雑誌が登場するが、「マンガ」は大正時代に日本から輸入されたことばであった。マンガが活発に描かれるようになるのは辛亥革命(1911)前後からである。反帝反封建を目ざす民主革命が多くの風刺画を生み出し、漫画が独立した美術分野になる。

 3.作法

日本:「漫画文法」という独特の文法が存在。(例 大小のコマの使い分け、フォントの大きさの使い分け、文字の配置)→よりストーリー性のある物語を提供することに繋がっている。そして、娯楽的要素のバリエーションが豊富→諸外国の人々を飽きさせないコンテンツになっている。

中国:中国の現在の市場の主流のマンガの多くは日本のマンガの影响を受けている。これらのマンガ家は主に日本の漫画技法上の形式に貢献して、例えば絵コンテの运用、映画式のレンズ、人物の表現など、一方、社会の変化も漫画の題材を変えて、最初の百鬼夜行の物語の絵から、後の風刺漫画に、そして現代に、これらの漫画の題材を深掘りして、日本の現在の社会の性質を分析することができて、精神的に訴える。自分の価値観や理念を表現した作品をつくる。

 4.媒体

日本:漫画雑誌や単行本などの紙媒体も読まれているが、最近では電子媒体を利用する人も増えている。

中国:各種サイトから連載されるのが基本。読者からの人気が集まれば、単行本が発売されることもある。

○中国マンガの特徴について

 中国のほうはカラーを主にするかと思う。主な理由は、配信媒体や制作コストの面からだ。そして、中国のマンガの発展が盛んになる頃には、ほとんどがネットメディアの時代に入り、マンガの作家も板絵に傾いていた。マンガに色をつけるのは、板絵のほうが手間がかからない。ですから、精力を省き、仕事ができる一方で、効果も出やすく、大衆に好かれやすいである。中国マンガの技法の方面で伝統的な水墨画の写実的な意味を取り入れて、画風の精致、流れる造形と色彩、中国的な絵コンテの風格を発展させると同時に外国の技法を学習して、現代の若者が要求するマンガの題材を探す。中国のマンガの題材も中国古代の歴史の各時代を主にして、それから青春恋愛マンガや小説の原作化など。(天寧)

○日本マンガの特徴について

日本のマンガには、「娯楽力」「コミュニケーション力」「文化力」の3つの特徴に分けられる。まず1つ目の「娯楽力」について。日本のマンガは「遊び(娯楽)」と「風刺」から構成されており、中でも、娯楽的要素のバリエーションの豊富さが、諸外国の人々を飽きさせないコンテンツを提供し続けている。2つ目は「コミュニケーション力」について。日本の漫画には「漫画文法」とも呼べる独特の文法が存在する。例えば、大小のコマの使い分け、フォントの大きさの使い分け、文字の位置などが挙げられる。このような漫画文法は、物語の奥行きをより一層引き出し、よりストーリー性のある物語を提供することに繋がっている。そして最後の3つ目は「文化力」について。日本の漫画には、文芸性という高い芸術的側面や、様々な文化や芸術的側面がある。(例えば、世界共通語にもなった「かわいい」を体現する現代文化など)これらのジャンルを問わない総合的文化力が世界を魅了する一因となっている。日本の漫画には、いい意味で「ルール」がない。漫画やアニメを子供のものと決めつけず、各年齢層や嗜好に合わせた作品が発表されている。このような文化形成は、古くから多宗教が共存し、尊重し合う「和の文化」にルーツを持つ日本の長所が現れているとも言えるのではないだろうか。(さき)

3.日中のアニメ比較

中国のアニメ産業は日本に追いついたという主張する人がいるけれど、実はそんなことではありません。確かに近年中国の人気アニメが増えて、アニメ産業も繁栄のイメージが見えます。しかし、中国アニメと日本アニメの差が大きいです。そこで中国アニメ産業発展原因の制限要因をまとめます。まずは、人材的に、アニメ産業の知識不足と専門家が少ないという原因です。日本違って、中国人ではたくさん経験を積むクリエイターが少ないのが事実です。次に、過剰な市場と弱い基礎も大きな問題になります。中国のアニメ視聴者が非常に多いに対して、多くの優れたアニメを創作できる人材が育っていません。 キュウ

1.年齢層

中国:10代~20代の青少年

日本:基本全年齢(10代~30代)

 2.歴史

中国:1956年にアニメ会社は設立していたが1966年に制作中止してしまう。1983年には「天書奇譚」が制作された。80年代90年代には日本のアニメの多くが放送されるようになった。

日本:現存する最古のアニメーションは1917年に制作された「なまくら刀」。現代のような30分アニメの先駆けとなったのは1963年に放映された「鉄腕アトム」。

 3.オリジナル作品の傾向について

中国:漫画や小説などを原作としたものがほとんどであるためオリジナルアニメは少ない。こうした原因は①市場の環境(マンガとアニメもそう)②政府の管理統制(テーマと内容の制限)③読者層の三つが理由として挙げられる。

日本:日本のアニメも漫画や小説などをアニメ化しているが、オリジナルアニメも非常に多く制作されている。近年だと魔法少女まどか☆マギカなどがある。

○日本アニメの特徴について

日本のアニメーションの基礎を築いた手塚治虫は、毎週30分間のアニメ番組を制作していくために、作画枚数を節約するコストダウンの手法を開発しました。日本のアニメ映画は、もしかしたら見ている自分にも実際に起こるかも? という幻想を抱くことができます。例えばあの有名な『となりのトトロ』は普通の小学生の 姉妹のお話しだし、それから『時をかける少女』も、普通の女子高生の出来事です。見てい るとつい自分の高校生活を思い出してしまいます。つまり、それは現実世界を基礎として、 その上にファンタジーの要素を加えるということなのではないでしょうか。(キュウテンショウ)

○中国アニメの特徴について

中国のアニメの印象は、ファンタジー要素を持つものが多いように感じる。日本のアニメでは擬人化を用いて表現する場合があるが、中国のアニメでは妖精や妖怪といった生き物で表現しているように思う。

近年、同じアジアの中国でもアニメ市場の成長は著しい。こうした成長の背景にはなにがあるのか、最も大きいのはネットの普及だろう。インターネットが普及したことでテレビでしか見られなかったアニメが、全世界で環境があればどこでも見られるようになった。日本でもHuluやアマゾンプライムなど様々な動画配信サービスでアニメを配信している。中国もその影響を受けており、そういったビジネススタイルを参考にした結果このような伸び率になった。元々中国では日本アニメの下請けをやっていたが。こうした発展とともにスタッフも増えた。しかし決して中国と日本は完全なライバル関係にあるわけではなく、アニメを共同制作していたところもある。国と国をつなぐものとしてアニメは存在しているのだ。

中国では日本のようなアニメに関するグッズや声優のライブ、聖地巡礼といったものはあまりないようだが、アニメ内の登場人物の恰好をする「コスプレ」は非常に人気があるようだ。中国のコスプレイヤーは、衣装などは安い値段で購入したり専門の方に頼んで作ってもらったりすることが多く、全体的に造形のクオリティが高い。アニメや漫画の内容以外にもこうした文化の違いが表れているのは非常に興味深い。(こばち)

4.まとめ

以下は編集メンバーの感想。

・漫画は素晴らしいもの。漫画の誕生は文字と絵画と結びついていて、このような方法で作者の思想観念を表現。漫画家が置かれている現実の問題について差が大きい。様々な国の漫画が多種多様で特色が含まれている。価値観や考え方が違う。中国の漫画は恋愛とか青春、中国の古代歴史的な内容が多い。

・中国のアニメ漫画の対象年齢は12歳以下の子供、子供たちはアニメや漫画の思想・社会的影響を受けてしまうため、視聴者の主体(主な消費者ではない)にはなりえない。14歳から30歳の青年が主な消費者になりえる。購買力があるため。まんがにおいて比較的主体、少ない。自発的に見たいものを選べないため内容が似ている。中国の漫画の欠点ということに気づいた。アニメの発展の妨げになっている。対象が12歳以下のアニメは知識を学ぶ内容になっている

・漫画やアニメに対する価値観が中国と日本で全く異なる。年齢対象の違い、作風の違いなど。中国は若い人が対象だけど、中国の漫画やアニメは、歴史もの恋愛ものだったりと、日本と比較するとジャンルが限られている。しかしスポーツ漫画は中国にはほとんどないが、日本のスポーツ漫画は人気がある。こういった比較から日本は表現が豊かなことを感じた。

・自分の身の回りに当たり前にある漫画やアニメをここまで掘り下げたことはなく、またほかの国の視点からの話を聞いたこともなかったためとても新鮮な体験だった。日本では漫画やアニメに偏見を持つような意見もあるが、幅広い年齢層からや国境を越えて愛されていることは事実であることが分かった。

参考文献:

weblio辞書,出典=フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』,「日本の漫画-特徴」,参照2021年12月13日

https://www.weblio.jp/wkpja/content/日本の漫画_特徴

「日本の漫画の魅力|日本と日本人の文化」,参照2021年12月13日

https://japanjapanese.net/nerd-culture/comics.html

日本経済新聞,2019年8月9日,「漫画読者の半分が電子媒体を利用、民間調べ」,参照2021年12月13日

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48407130Z00C19A8X30000/

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草の実堂,投稿者(文)=猫田茶々丸,『「漫画の歴史」について調べてみた』,参照2021年12月13日

URL: https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=1001000221247
2020年12月20日取得。

日本放送協会 NHK クローズアップ現代+ どうなる?日本のマンガ・アニメ ~中国 急成長の衝撃~ 閲覧日2021-10-20

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4257/index.html?1551860969

独自作品続々、成長著しい中国アニメ 新型コロナウイルスの影響は:朝日新聞GLOBE+  閲覧日2021-10-20

https://globe.asahi.com/article/13202416

日本が直面する巨大アニメ市場「中国」の脅威 ——「けもフレ」福原Pインタビュー | Business Insider Japan 閲覧日2020-10-20

https://www.businessinsider.jp/post-164253

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