【フィールド計画書】「外国人から見た京都」

投稿者: さき

1.タイトル

「外国人から見た京都」

2「「フィールド計画」のテーマ

・テーマについて

現代では外国人が京都に観光に訪れるようになり、実際に京都に住む外国人も増えてきた中で、17世紀から20世紀にかけて京都を訪れた外国人がいないのか気になった。

・達成しようとする目標

どのような目的を持って訪れることになったのか。何を思ってどのような気持ちで京都を訪れたのか、京都に来て何を得たのか、感じたのかを調査したい。

・テーマを設定した背景

私の地元では、近くに大学があることもあり、留学生、職員など大学に関わる外国人が訪れ住んでいる環境にある。また、大阪万博が開催された当時、多くのベッドタウンが建設されたこともあり、結婚を機に移り住む外国人がいたことが考えられ、今もその家族たちが住み続けている状況がある。京都も観光地が沢山あり、旅行客が目立つ印象を受け、生活者として暮らす外国人を目の当たりにした。しかし、そうした環境に移り変わったのも現代に入ってからで、体感としてはここ最近のことのように感じる。当時の京都のみならず全国的に見ても、日本を訪れる外国人は貴重なケースだっただろうと感じ、いわゆる「先駆け」となった外国人がいるならば調査したいと考えた。

・4年次に取り組む卒業研究・卒業論文との関連性

今回は京都に限定された中での調査なので、時代設定はそのままに、調査範囲を広げて東京や長崎など、全国規模で訪れた外国人を調べるのも1つの案だと考えられる。現代のことを調査するならば、自分の地元や京都で生活している外国人のことを調査して、どのような支援をされているのかが気になる。

3.実施計画の詳細

・実施内容と方法

 関連する書籍の精読、現場調査

書籍の精読→今学期にも参考文献を読み進めてきたが、しっかり読めたか問われるとそうではないので、引き続き資料調査を進める。

現場調査→文献資料で登場した場所や建物を調査。(例 現地にガイドがいる場合、解説を聞きながら調査を行う。当時巡った順に調査する。)芸術家を対象とした場合、展覧会が開催される可能性があるため、その場合には美術館を訪れる。もし、博物館や資料館に、外国人が京都を訪れた記録や資料が残されているなら、訪れたいと考えている。

・スケジュール

○春期休暇期間…2月は参考文献を今学期中よりも細かくその詳細を明らかにしていき、3月は文献調査を進めながら、現地調査を行う際のルートを計画していく。

○春休み明け…計画を立てたルートを元に、「4月京都御所、5月桂離宮、6月清水寺、7月八坂神社…」というように、1ヶ月単位で巡るスポットを決め、文献資料に登場した観光地をメインに現地に行きどこに惹かれたのか魅力について調査。自分なりに考察を立ててみることも検討している。

○夏期休暇期間…7月下旬~8月末は、引き続き現地調査を行うが、「1日1人」と決めるなどして、当時巡った場所順に調査を進める。この時に現地のガイドに話を聞くことも視野に入れている。9月には最終報告計画書作成取り掛かる準備に入る。

・協力者・協力機関

 京都国立近代美術館(仮)

→先日外国人デザイナーの展覧会を実施されていたことから、「京都と外国人」に纏わる話が聞けるのではないかと仮定した。

・主に調査を行う場所

図書館、文献資料で登場した場所や現存する建物

4.準備作業の進捗状況

・準備作業・準備学習として取り組んだこと

 ウィーンと京都で活躍されたデザイナー「上野リチ」の展覧会に行った。

 参考文献の収集・精読、インターネットでの調査

・不十分な点

 事前調査、協力機関となり得るような施設の有無

施設の有無→内容の方向性が定まってくると考え、事前にあるのか無いのかが確認出来たら安心だ。京都に渡航した記録や、それに関する資料がある施設が存在するなら尚更知りたい。

・準備作業・学習を通じて明らかになったこと

[20世紀]

 ドイツの世界的建築家ブルーノ・タウトが、来日当時、伊勢神宮や民家など日本古来の建築を好意的に評価し、特に桂離宮を高く賞賛していた。

 デザイナー「上野リチ」こと、フェリーツェ・リックス(愛称:リチ)は、日本人建築家上野伊三郎と出会い、結婚後伊三郎の郷里京都に移り、建築事務所を開設して個人住宅や商業店舗の内装デザインを手がけた。戦後は、夫婦で京都市立美術大学(現:京都市立芸術大学)の教員として携わり、退職後もインターナショナルデザイン研究所を開設し人材の育成に尽力した。

 来日したタウトを迎え世話した人物が、上野伊三郎だと分かり、タウトと伊三郎の繋がりを確認出来た。

[19世紀]

 イギリス人旅行家イザベラ・バードは、日本横断旅行で京都を訪れた際に、「京都は美と装いと楽しみに捧げられている」と絶賛している。西本願寺を訪れた時には、当時としては珍しい、英語通訳ができる僧侶に社殿を案内され見学を楽しんだ様子。

 オーストリア皇太子のフランツ・フェルディナントは、京都を含めた日本旅行に訪れたことが分かった。京都御所や清水寺、八坂神社など、現代でも観光地として有名な場所を訪れていたことを確認出来た。

 ロシア皇帝ニコライ2世が京都を訪問。(詳細は確認中)

 幕末から明治にかけて、幕府、明治新政府などによって欧米諸国から招聘され、雇用された「お雇い外国人」は、関東や九州に集中しており、京都との繋がりは確認出来なかった。

 当時、日本を訪れた外国人は、王族や貴族の人たちを中心に広まっていて、その多くが関東や九州で、京都だけでなく関西を訪れた外国人が少なく参考文献も希少だと感じる。

 →その参考文献の少なさから、私は京都を訪問した外国人が少ないと考えていたが、「むしろ沢山の外国人が京都に訪れているから、例えば17世紀だけに絞るなど、1世紀ごとに絞った方が良いと思う100年で十分だ。」と助言を頂いた。詳しく研究されている教授に春休み中にでもアポを取って伺いたいと考えている。

5.個人的意義

・自分にとって「最大のチャレンジ」になると思われるもの

 京都の大学に通学しているとはいえ、やはり地元とは違って、慣れない土地に出向き1人で調査を行うのは不安が募る。1人で長期間初めて行うフィールド・プログラムで、1つの成果に向けて取り組んでいく挑戦と、実行する精神力を保ち続ける挑戦が考えられる。

 

・「フィールド・スタディーズ」を通じて習得できると期待される具体的なスキル(技能あるいは資格)また、そのスキルと、あなたの今後のライフプランとの関係

 当時、外国人が京都を訪れその土地の歴史や文化を触れていたように、日本人である私も、異文化理解または異文化交流に対する興味をさらに深められるきっかけになれば良いなと考える。

・その他、この「フィールド・スタディーズ」の履修を通じて得たいと考えているもの

 現在も残る伝統ある建造物や場所の素晴らしさを学んで、後生に伝えていきたい。

6.資料リスト

【本】

⑴『ニッポン ヨーロッパ人の眼で見た』,著:ブルーノ・タウト 訳:森とし郎,講談社,1991年

⑵『異人たちが見た日本史』,内藤 孝宏,洋泉社,2015年

⑶『オーストリア皇太子の日本日記』,著:フランツ・フェルディナント 訳:安藤勉,講談社学術文庫,2005年

⑷『イザベラ・バードの日本紀行 下』,著:イザベラ・バード 訳:時岡敬子,講談社学術文庫,2008年

⑸『お雇い外国人 明治日本の脇役たち』,梅渓昇,講談社学術文庫,2007年

⑹My First Lizzi マイ・ファースト・リッチ 上野リチのデザイン,青幻社,2022年

 【論文】

⑴作り上げられた「ブルーノタウト」,田中潤,2019年

⑵ラフカディオ・ハーンと京都-平安遷都千百年紀念祭-,桝井幹生,1992年

⑶明治時代の京都を訪れたイギリス人の工芸と室内装飾に対する反応とその思想的背景に関する研究,野口祐子,2013年

 【ネット記事】

⑴「泣きたくなるほど美しい」桂離宮に魅せられたドイツ人建築家【ブルーノ・タウト】,https://hobbytimes.jp/article/20160816c.html,最終閲覧日2021年12月日日

⑵「サラエボの悲劇」オーストリア皇太子」の保津川下り紀行,https://www.hozugawakudari.jp/, 最終閲覧日2021年12月7日

⑶上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー,https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2021/4 , 最終閲覧日2022年1月14日

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